20250302(日)
風に吹かれすぎて②

▼さて、廃部の危機を乗り越えた痛風部。まるで強豪高校の部活のような日々は「①アルコール禁止と②水2リットル。BMI値を下げるために③ハーゲンダッツ禁止と④適度の運動」だったのだけれど、ついに、結果が判明する日が訪れる。2月18日の火曜日。痛い風が吹いて以来、4度目の血液検査。ある意味では、痛風部顧問と言ってもよいだろう。担当医の先生が僕の名前を呼んだ▼東京都目黒区のとある病院、その診察室のモニタで数値を確認しながら先生が言う。「よくがんばりましたね。前回の7.6から6.2まで尿酸値が下がっています。尿酸値以外の肝臓にまつわる数値も軒並みよくなっていますよ」。(よし!)と心の内でガッツポーズする僕。あんなに怖かった先生が、柔和な如来像のような笑みを讃えている。まるで、ノノガ(No No Girls)というガールズグループオーディションのプロデューサー・ちゃんみなのよう。ノノガがよくわかんない人は、大感動コンテンツなのでぜひ見てくださいとおすすめしつつ、ざっくり説明すると厳しさとやさしさが同居していたちゃんみなの素晴らしさと目黒区のとある病院のその先生がまるっと重なったというわけ。そして、重なったのは僕とガールズたちも。2次審査、3次審査と進められていくオーディションで次のステージに進めた人たちは「喜び」と「課題」が課せられていたのだ。痛風部の僕と同じように▼まずは「喜び」。重ね重ね、ノノガがよくわかんない人は、とりあえず、甲子園で優勝してガッツポーズしてる投手の姿を思い浮かべていただければ、2月18日の僕の歓喜っぷりはそれと同様か、もしくはそれ以上であったと思っていただいてほぼ間違いない。だが、人生はやっかいだ。あの名曲さながらにライフ・ゴーズ・オン、すなわち続くのだから。目黒区のとある病院の先生も「継続しましょう」と言った。「とにかく水を飲んでくださいね」とも。「課題」である▼気になったのは、「尿酸値以外の肝臓にまつわる数値も軒並みよくなっていますよ」と言った先生の言葉。逆にいえば、12月までの3回の血液検査では、尿酸値以外の肝臓にまつわる数値が悪かったということ。(そんなの知らなかったよ、先生!)と感じつつも、だからあんなに厳しかったのかとも思い当たる。改めて、先生の厳しさに感謝しつつも、痛風部部員としての自主練も以後の「課題」にすると決めていた。いままでどおり「②水2リットル。BMI値を下げるために③ハーゲンダッツ禁止と④適度の運動」は継続するが、「①アルコール禁止」は解禁すると決めていたのだ。ただし、12月から2か月間の完全禁酒の日々でよかった点を継続するため、「①ひとり飲み禁止」とすることに決める▼はたして、2月19日からいまに至るまでで、すでに3回の酒席が設けられた。みんなで飲む酒席はやっぱり楽しかったが、すぐに調子に乗ってしまうのが僕の悪いところ。(ひとりじゃなきゃいいのだから、今日は誰を誘おうかな?)なんて悪巧んでいる未来の自分が容易に想像できる。甘い誘惑に駆られた時は、9月のあの激痛を思い出せるよう尿酸が体内で結晶化したギザギザの写真を見ることにしよう。さてさて、痛風部第2シーズンは、どんな風が吹くのだろううか。次の血液検査は3か月後である(唐澤和也)