20250308(土)
東京の雪と二十歳のルーキー

▼今週の火曜日は、大後輩Jくんと季節ハズレの新年会であった。ところが、これまた季節ハズレの雪が降る。もうすぐ春だというのにダウンのコートを着たふたりではあったが、一周してまだ寒き頃の新年会風でよき夜となる。そんな帰り道。僕とJくんの帰路は同じ方向なので、いっしょに歩いて帰ろうかなぁと思っていたら「寒い寒い」と震えだすJくん。じゃあとタクシーを捕まえたのだけれど、Jくんは「お疲れ様でーす!」とひとりでタクシーに乗り、帰っちゃうではないか。(え? いっしょに乗って、途中でおろしてくれてもよかったんですけど?)とは思いつつ、転ばぬようにゆっくりと雪道を普段の倍の30分かけて帰ってきながら思ったのは(雪、やっぱり好きだなぁ)ということ。そんなことを思えたのも、大後輩Jくんのおかげというのは、きれいにまとめすぎだろうか。でも、一切の悪気がなく、とっと帰っていく後輩がおもしろかった▼ところで、最後に怒ったのはいつなのだろう。元キレ澤もいまは昔と思いきや、最近の出来事があっさりと脳裏に浮かぶ。昨年の秋だ。その人は、世にいうクライアントという立場だったので、3回ぐらい我慢した。けど、4回目はダメだった。20人ぐらいの人数がかかわる仕事で僕と彼がリーダー的な立場だったのにもかかわらず、あまりにもその自覚が彼になかったことが怒りの原因だった。とはいえ、さすがに年齢を重ねてはいるので昔みたいに怒鳴ったりはしなかったけれど、静かに怒りがにじみでているコワ(怖)澤ではあったと思う。その証拠に、僕が彼と至近距離で会話を始めた瞬間から、それまでいっしょにいた人たちがみるみる離れていったのだ。まるで、僕と彼が台風の目のよう。内心で(うわぁ、みんなめっちゃ引いてる!)と感じられるほどの冷静さは残っていたけれど、一旦走りだしたコワ澤を止めることは誰にも(僕にも)できなかった▼ところで、ノノガ(No No Girls)は素晴らしいコンテンツであると先週も記したけれど、オーディションに参加した10代のMOMOが最終審査に進めなかったのは哀しかった。高校に進学せず、ダンスの世界のプロフェッショナルを目指すためにレッスンを重ね、肉体のトレーニングにもなると引っ越しのアルバイトに汗を流す彼女。尊かった。尊いという言葉をいまはじめて使ったけれど、なるほど、たしかにこの感情をさして〝尊い〟というのねとはっきりと認識できるほどに尊かった。そもそもノノガはオーディションに参加したすべての人が尊かったのだけれど、MOMOは僕にとって別格だった。まるで、朝ドラのヒロインを応援するように、もしくは親戚のおじさんのように、彼女を推していたのだと思う▼ところで、日本語って深い。ライターのくせに変な話だが、個人的な語感として「楽しい」は苦手で文章として綴ることは稀。でも、「楽しみ」と一語変えただけで原稿登場頻度が俄然高くなる。そういう意味では、最近稀にみる「楽しみ」なのが、ルーキーの登場だ。若干20歳。とあるご縁から知り合って、4月からPUNCH LINEに参加してもらうこととなりました。ノノガからデビューが決まったHANAでいうとNAOKOやKOHARUと同じ歳。「楽しみ」どころか「超楽しみ」だ▼以上、今週は最近の喜怒哀楽をお送りしました。これを書いているいまはまだ大丈夫だけれど、火曜日に続き、今宵の東京も雪予報なのだそうだ(唐澤)