20240429(月)
シニシニニ57
▼昭和42年4月22日生まれだけに、略してシニシニニ。シが死をイメージさせて不吉に思う人もいるかもしれない。シ、ふたつもあるし。でも、個人的には覚えやすいし30年ほど前から気に入っており、気に入ってみんなに言ってるうちに57歳になった。問題はこちらの年齢のほう。問題といっても、体力が落ちただなんだのおっさん問題ではなくて、ダジャレ問題。55歳はGOGO、56歳は五郎さんなど、ダジャレ的語呂遊びができたのに、57歳って……。しかも、57歳というのは、ダジャレが思い浮かばないだけでなく、そこはかとなく微妙な年齢じゃなかろうか。振り返れば、47歳も37歳も27歳もそうだった。末尾7歳というのは、THE微妙なお年頃なのかもしれない。唯一の例外は17歳で、微妙どころかまぶしかったりする。小説や音楽や映画のタイトルにもなるほどに▼ところが、微妙な57歳にもかかわらず、誕生日前後でうれしいことが2つもあった。ひとつは千葉雄喜と同じ誕生日ということにいまさら気づいたということ。千葉雄喜を知らない方は、元KOHHと記せば膝を打つだろうか。宇多田ヒカルとのコラボやフジロック出演など、HIP HOP界の革命児である34歳。彼が千葉雄喜名義で再開した音楽活動、その曲のタイトルにちなむのなら「チーム友達 422REMIX」。古くはジャック・ニコルソン、最近ではプロ野球選手の中田翔が422の誇り的存在だったが、HIP HOP好き故の屋号=Punch Line Production代表としては、その道の革命児と同じ誕生日だったとは妙に光栄だった▼もうひとつの喜事は、教習所通いがついにスタートしたこと。昨年の原付バイクでの利尻・礼文島旅があまりにも快の感で、中型バイクの免許取得を決めたのだった。勢いで。いやはや、学校的なところに通うのなんて、19歳の東京・高田馬場の予備校以来だ。教習所でいえば、21歳になった頃に普通車免許取得のために通って以来。となると、ワクワクとドキドキが同時に去来するのは必至といえるだろう。ワクワクは免許取得後のあれこれがアクティブに脳内をかけめぐること。バイクをどれにしようと妄想しているだけで、小1時間が体感1分だ。一方のドキドキは、ドラマ『不適切にもほどがある!』でいうところの〝地獄の小川〟的教官がいたのならどうしようという不安。地獄の小川は令和のコンプライアンスには触れまくる昭和の先生という設定だったけど、野球部の顧問時には容赦ないケツバットが炸裂していた。さすがに令和のバイク教習所で地獄の小川はいやしないだろう▼ところが、いない。この文脈で「ところで」のあとの「いない」は日本語がバグっていることは承知している。いや、体罰もないし罵詈雑言を浴びせかけてくるわけでもないから〝地獄の小川〟がいたのかという意味でなら、いない。でも、地獄ではなくて闇夜ぐらいで、小川ほどの水量はないから水滴だとして。〝闇夜の水滴〟ぐらいの人ならばいるんですねぇ、やっぱり。たしかに、こちらのできなさ加減も相当だったけれど、ああいう言い方はしなくてもいいのにと5回ぐらいへこまされました。ただ、今日までで5人の教官が担当してくれたのだけれど、闇夜の水滴的対応は1人だけだったので、例外中の例外なのだと思う。それに、その例外な人のおかげで、時空を越えて反省できたりもして。卒業した山岡や後輩ライターへの僕のかつてのダメ出しは、言われたほうからすると嫌ぁぁぁなこの人の感じとさほど変わらなかったのではないか。今後もし誰かに教えることがあるのなら気をつけよう。闇夜の水滴さんにバイクについて教えられながら、そんなことも教わったのでした▼さて、誕生日といえば、3年前からのこと。母から心づくしのプレゼントが届くようになった。手紙と現金である。息子がほしいものがわからぬゆえの選択だと思うのだけれど、せっかくだから、ふだんの自分が買わない(買えない)ものを選ばせてもらうことにしている。3年前は白いスニーカーを2足、2年前はデニムのオーバーオール、昨年はワークブーツ、そして57歳の今年はヘルメットにした。まずは、目指せ完璧な半クラッチ。ヘルメットといっしょに(唐澤和也)※来週はお休みです。