からの週末20220325(金)
合法的ズル休みからの週末
▼今週は合法的ズル休みから幕をあける。火曜日の朝、3度目のワクチン接種翌日。2度目の時と同様に37度2分という超微熱状態となる。接種前の先生の問診で「2度目のワクチン接種後はどうでしたか?」と聞かれ「副反応はありませんでした。微熱ぐらいで」「それは何度?」「37度2分」「いや、それは副反応が出てくるんです」と言われしまう。でも、そうか、たしかになぁ。平熱が36度2分とか3分なのだから、37度2分だろうが、ふだんより1度も副反応が出ていることになる。でも、それでも、なぁ。我らワーカーホリック人の体感としては、37度2分ぐらいだったら働けるから、うしろめたさはある。これはズル休みなのではないかと。だからこそ、問診してくれた先生の断言は合法的だった。よし、休もう。火曜日の朝の37度2分は問診先生お墨付きの立派な副反応なのだから▼そんな合法的ズル休みの火曜日は、布団を押し入れにしまうこともなく、朝の二度寝をしたり、ネットフリックスの『トークサバイバー!』に爆笑したり、笑い疲れて昼寝したり、NHKの『笑いの正体』のおもしろさにちょっと震えたりした。風邪とかの寒気からの震えではなく、漫才のおもしろさや魅力、先人たちのすごみなどを語る芸人たちのその言葉に震えたのだった▼そんなわけで、睡眠&エンタメ不足を解消した火曜日があけての水曜日は、それはもう反動だった。火曜日が合法的ズル休みなら、反動の水曜日の到来。自営業あるあるだけれど、仕事モードを意図的に遮断しようとすれば、やらなきゃいけないあれこれのことを、きれいさっぱり忘れてしまうことができる。そうじゃなきゃ、休めないし。で、反動の水曜日。ということは、火曜日にはきれいさっぱりと忘れていた仕事あれこれが、実はどっちゃりと待ちわびてくれていたというわけ。わりとでかい規模のネット会議もあった。今年1年のありとあらゆる仕事のざっくりスケジュールを考えなきゃダメな日でもあった。水曜日が終わる頃には、くったくっただった。起き抜けの体温は36度2分だったけれど、くったくったすぎて熱が出そうだった。念の為、寝る間に測ったそれは36度5分で、まったくもって出てなかったけど▼木曜日のキーワードは春であった。天気がほがらかだったというだけでなく、この季節の代名詞でもある出会いと別れがごちゃ混ぜになったような1日。ひらひらと舞う桜の花びらは美しいだけでなく、少々切ない。そんな感じの1日だった▼そして、金曜日。社会人の1週間の終わりにして週末のはじまりの日は、もしも暦の神様がいるのなら、是非ともでなかったことにしてほしい1日となる▼21時ぐらいまでは平和な時間だった。合法的ズル休みの火曜日、反動の水曜日、春な木曜日などと冠となる言葉をつけるのなら、「凪(なぎ)な金曜日」だった。凪、わりと大好きな感覚。でも、だったのだ、21時頃までは。実はこの原稿はまったく違うテイストのものを書いていて、いちおうのめどが立ったので、事務所をあとにして自宅でこの原稿を仕上げようと考えていた。自宅に戻りたかったのは、金曜日がプロ野球の開幕戦で、阪神タイガースは昨年の覇者であるヤクルトを相手に8対3で勝っていたから。イニングは7。青柳という昨年の最多勝投手にて、阪神の新エース候補がコロナ陽性者となり、決まっていたはずの開幕戦で投げられないと。そこで、藤浪という、ここ数年停滞が続き、復活が待ち望まれ、ファン心理としてはそろそろ待ち疲れてきた天才投手が代役となる。その藤浪が、途中あぶなっかしいところはありつつも、粘りに粘って稼いだイニングが7だった▼みなさんは、ご存知だろうか? プロ野球のイニングは基本的に9回まであるということを。暦の神様がこの金曜日をなかったことにしてくれないのなら、野球の神様がこの日だけは、7回までにしてくれればいいのに。でも、そんな都合のいい神様などいるわけもなく、阪神タイガースの2022年開幕戦は、8対10で大逆転負けで終わったのでした。大逆転の金曜日。立場が逆で、大逆転した、だったら最高だったのになぁ。でも、現実は、最高の反対の最低。私は、そんな最低な気分を癒す術を知っている。ふて寝である(唐澤和也)