からの週末20220319(土)
回転体は転ばないらしい
▼どうやら、気球に乗っちゃうらしい。さらには、「日本の夜明けは近いぜよ」な高知県にも行っちゃうらしいし、小笠原諸島にも1週間ほど旅するらしい。時節柄〝らしい〟が語尾に付くのが、いやはやなんともだけれど、でも、らしいだろうがなんだろうが、この春以降の予定を書いているだけで奥歯も笑う。コロナ3年生とも言える私たち。2年生までは〝らしい〟すら書けるムードじゃなかったことを思えば、少しは前に進んでいるのだろうか? いや、ここは言い切ってしまおう。前に進んでいるらしい▼前に進んでいるといえば、我が阪神タイガーズの藤浪晋太郎。なんと、2年連続の開幕投手が昨日のオープン戦での投球で決定的になった。開幕投手の価値って、野球に興味がない人にはいまひとつ伝わらない気がするけれど、大家族の母親が大皿いっぱいにエビフライを揚げて、映えある栄光の1匹目を食べられる権利を与えられる昭和の父親みたいなものらしい。ただ、藤浪の栄光でいえば、棚からボタ餅的なものというのがちょっぴり哀しい。昨年は、エースの西投手の離脱によるものだったし、今年も昨年最多勝でオリンピック日本代表にも選ばれた青柳という新エース候補の離脱によるピンチヒッター的開幕投手だ。ピッチャーなのにピンチヒッターって。いやいや、藤浪よ、高卒ルーキーでいきなり二桁の10勝をマークしたかつての剛腕ぶりでこの口うるさいおっさん阪神ファンを見返しておくれ。そういえば、4月1日の巨人阪神戦は、東京ドームでその藤浪が見れるらしい。チケットぴあ並に優秀な友・西村くんがきっちりチケットをゲットしてくれた。西村くん、今年もありがとう▼どうやら、2022年は1ヶ月半ほど早いらしい。なにが? 桜の開花宣言でも梅雨入りでもなく、メインの仕事時計が早まるらしい。それでだったのか。なにが? 毎年、2月と3月はふわふわとゆっくりできるはずなのに、今年に限っていうと、ふわふわムードが2週間ぐらいであっさりと終わってしまって、あれほど誓った「さらばキレ澤」が「おかえりキレ澤」になりつつあったのだった。その理由が、例年と違ってせかされているこのムードにもあったのかもしれない▼パソコンを買い替えた。その時にキレ澤が復活しそうだった。具体的には、何人かのアップルのトレードイン担当者が原因だった。トレードインは古いパソコンをリサイクルも兼ねて買い取ってもらうという良きシステムだけれど、担当の人の言ってることが無茶苦茶だった。身分証明の登録が必要だと。しかも2つ必要であり「身分証は免許証と住んでいるところの住所と名前がわかる水道料金などの領収書でよい」と担当Aさんが言う。ふむふむとアップロードしたら「水道料金の領収書に日付が入っていないからダメ」「住所もあってない」とメールが無機質に言う。マジか。電話で確認すると担当Bさんが現場で実際に作業してくれている担当Cさんに確認したところ「住所は合ってる」とのこと。そりゃそうだろ。むしろなぜに「間違ってる」とメールで送ってこれたのか。ま、いいや。担当Bさんいわく「免許証以外の2枚目の確認は健康保険証がおすすめ」という。マジか。担当Aさんはひとこともそんなこと言ってなかったぞ。AさんとBさんとで言うことが違う。しかも、保険証をアップロードする時には、3箇所の数字などを見えないようにしなきゃいけない。そもそも、注文が多すぎる。注文が多いのは料理屋さんだけにしてくれ。結果、携帯電話のハガキ状の請求書をジャバラ状態に広げて1枚になるようスキャンして無事に済んだけれど、あわや「お帰りなさいキレ澤」だった▼それでもなんとか耐えたらしい。いや、耐えてないのかなぁ。担当Bさんからおすすめされた保険証をアップロードをするのが、どうにも納得いかなかった。だって、ガイドしてくれるサイト上にも「公共料金の請求書」とあるのになぜという話だから。そこで、担当Dさんに「携帯電話の請求書でも1枚のスキャンデータの中に日付も一緒に入っていれば大丈夫ですよね?」と聞いていた。すると「推奨していません」と堂々とおっしゃるではないか。じゃあ、なぜサイト上では〝推奨〟しているの? そんな感じで、それはもうキーーーっとはなってはいたから、キレ澤まではいかずともキ澤ぐらいには戻ってしまっていたと思う。ふと目があったうちのスタッフの山岡はすっごい顔してたし。ゴミを見る目というか、夏の海の岩場を這う虫を蔑んで見るような目。ごめんよ、山岡。がんばるよ、もうキレないように▼それでも人生は続くし、怒あれば楽ありらしい。パソコンが新しくなった。めちゃめちゃ快適だ。古いパソコンでは、あの虹のぐるぐるが1日でのべ30分ぐらいあって、それが日常化していたから本を読むなどしてやり過ごしていたが、新パソコンではほとんど虹を見ない。本日の東京は、昨日の雨が幻だったかのように晴れやかだ。事務所の窓からは虹は見えないけれど、この原稿を書き終えたらパソコンを閉じて、春の街を歩くのがいいらしい(唐澤和也)