からの週末20210409(金)
気仙沼ぜんぶ(漁師カレンダー以外)
▼昨晩、4泊5日の気仙沼出張から東京に戻りました。漁師カレンダーの取材のための出張で、いろんな人に聞けたさまざまな言葉は、それはもう書きたいことだらけでしたが、よくよく考えたらそのことは気仙沼漁師カレンダーに書けばいいじゃんって話。とはいえ、この1週間はほぼ気仙沼だったわけで、さて、からの週末をどうしようと途方に暮れていた時にふ!と思いついたタイトルで今週はいってみよーと思います▼忘れられないのが4日目だったか5日目だったかの朝、気仙沼ドライブとシャレこんだことだった。ま、4日目か5日目か覚えていない時点で、忘れられないどころか忘れているのだが、そんなことより「ドライブごときで大袈裟な!」と思った方は元アウトドアブランドウェブマガジン編集長のくせに、全然アクティブじゃないおっさんこと私をナメてはいけない。なにせ、最後に運転したのは5年前のことで、その思い出も散々なもの。当時の彼女と北海道ドライブを決め込んだものの、見晴らしがいいにもほどがある高速の料金所で、なぜかガリガリガリとアイスもびっくりな音で車を擦ってしまう。温厚なその彼女が2倍ぐらいに目を見開いて〝なんで? ねぇ、なんで? なんでこんな見晴らしのいいところで擦るの?〟と2倍になった目が語っていたほどの運転まるでダメ男なのです▼いやいやいけない。これは結論を急がないと気仙沼で車を貸してくれたKさんが心配でしょうがないと思う。結果、車は圧倒的に無傷だった。ま、当たり前なんですけどね。ホテルの駐車場、しかもガラガラの駐車場をぐるっと1周しただけだから。それでも、5年ぶりのプチドライブは、なんだかとっても楽しかった▼そして、気仙沼といえば、やっぱり飯ですね。取材時は、宮城県でMBHTJTS(まん延防止等重点処置)中だったので、いつもは会える方に会えなかったりもした。それだけじゃなくて、みなさん外食も控えているようで、出張中に行く店、行った店、ガラガラだった。それでまた、行く店行った店が、たとえば回転寿司レベルでも尋常じゃなく美味しかった。漁師町、やっぱりやばし。なので、〝食〟的には大満足だけれど、〝人〟もセットな食卓が個人的には好きなのだなぁと思い知らせされた夜たちでもあった。早くMBHTJTSが解除されて、いつも会える方に会えるような、いつもが戻りますように▼そしてそして、気仙沼と言えば、というわけでもないのだが、今回の気仙沼ぜんぶ(漁師カレンダー以外)で一番印象的だったのは、気仙沼の友人デザイナーAさんのオフィスだった。地方ではよくあるケースなのだろうか? 廃校になった中学校をさまざまな企業や団体が有効利用してオフィスとして使用していた。図書館にも本が残っているし、体育館を使ってもいいらしい。東京ではすっかり散ってしまった桜が美しい校庭も、なんだったら使って大丈夫だろう。もちろん、実際に使っていると冬場の冷え込みがすごいだとかいろいろあるらしいけれど、なんだか妙に楽しそうだった。なんでなんだろう? 高校までひろげても、いや、大学までひろげても学校=つまらないというのが一番の感情だったくせに、社会人という名の大人になった途端、学校で仕事=楽しそうになるだなんて。Aさんは、いまの教室よりもちょっぴり広い3年1組に引越しするのが楽しみだそうだ。なんだよ、そのキュートすぎる引越し!▼Aさんは東京でバリバリに仕事をしていたタイプだが、震災をきっかけに気仙沼に戻り、コツコツとデザインの仕事を重ね、そのキュートな引越しをするオフィスには、2人のスタッフを抱えるようにまでなったらしい。すごい。そういえば、今回の取材でお話を聞けた、ある漁業関係者の方の会社は、4階に気仙沼の海を見下ろせる絶景のロケーションで「BBQに最高ですね?」と聞いたら、「ふふふ。それを計算して作りました」とうれしそうだった▼あ、漁師カレンダーのこともやっぱり書いちゃった。そろそろおあとがよろしいようで。最後に自分へのメモですが、発行が1年延長となったP誌では、働き方とアウトドアがいい感じでリンクしている人を取材させてもらうのもおもしろいかもしれない(唐澤和也)