からの週末20201219(土)
来年は月火水木金金土でありますように

▼1週間のうち1日増えたらうれしいのは断然金曜日だ。なぜならこのコラムを書けるかもしれない日が増えるから。月火水木金金土日。こんな感じだといいなぁ。いや、これだと1週間という間尺が狂ってしまうので削るなら何曜日だろう。なんとなく水曜日な気がする。うちの地元ではペットボトルとかのごみ収集日だけど、かなりの確率で忘れちゃうし。月火木金金土日。うん、こんな1週間がベストです▼というわけで、金曜日がくるまで、ほぼ毎週ノープランだった、からの週末。もちろん2020年の終わりが迫りに迫った今週末もそんな感じですが、気のせいか昨年までの年末に比べればドタバタ感が少ないような気がする。ここ数年間「夏はこれ」「年末はこれ」といったレギュラー仕事が定着してくれたおかげだ。ありがたい▼ありがたい。本当にありがたいのですが、ありがたくなるまでは、まぁ、大変でしたよ、そりゃ。やっぱりどんなことでも最初からすっと進むほどチョロくはなくて、ちょっとした筋トレにも使えるんじゃないかってぐらい分厚くて重い某カタログの1号目の師走時期なんて、というか、10月から師走までの3ヶ月なんて、睡眠3時間×毎日で駆け抜けた。いや、書け抜けた。よく覚えていない、というよりも、思い出したくもないけど、土日なんてもれなくなかったと思う。月火水木金金金。結果、喜怒哀楽のすべてを失い完璧なる入稿マシーンと化し、近しい人にはずいぶんと迷惑をかけてしまったようだ(自分では記憶なし。あとから聞いて本当に申し訳なかった)▼「人生で一番戻りたくない時期はいつ?」と聞かれたら「あの3ヶ月!」と即答する、で、間違いない。ただ、学んだこともある。人間は、なにかしらの前向きな目標を持つことも大切だけれど「絶対にああはなりたくない」というネガティブの極みのような逆説的な目標を抱くことだって重要だということ▼実際、翌年の2号目からは「絶対にああはなりたくない」を行動にうつす。なにをしたか? 人に助けてもらう。簡単な話だった。▼に、比べればって話ですよ。2号目よりもさらに助けてくれる=手伝ってくれる人が増えた5号目の今年は喜怒哀楽もバッチリ残っておりました。『エール』にどハマりして以来、視聴習慣としてレギュラー化した朝ドラの『おちょやん』に、ちゃんとほろっとさせられてもいる▼さて、レギュラーといえばこの時期になると忘年会で「来年の目標漢字ひと文字で答えよ」との質問を10年以上繰り返してきた。目標とかそういうのがめんどくさい人には拷問のような質問をするのが常だったわけで。ところが、今年はそういう機会が減ってしまったのが残念だが、なぜか、今後レギュラーにしていくであろう質問が増えてしまっている▼そんなレギュラー質問が「人生で一番学んだことは?」。話題の書『100年の旅』という、大人も読める絵本の影響をもろに受けてのパクリ質問なのだが(どんな影響かは、ぜひ同書のあとがきを読んでください)、いまのところ答えてくれた身近な3人の答えが三者三様でよかった▼「結局、人がすべて。落ち込ませるのも人間。励ましてくれるのも人間」▼「永遠なんてない。だから永遠に憧れる」▼「寝ればなんとかなる」▼3つ目の答えの発言の主は、もうちょっとしたら発表できるであろう、この10年以上追いかけ続けているある表現者の言葉だが、インタビュー現場で「そうなんですよね!」と激しく膝を打った▼そうなんですよね。寝ればなんとかなるんですよね。コロナ禍の始まりの3月の頃、誰にも頼まれてもいないのになぜか3つの目標を立てたくなって①「人を批判しない」②「人に親切にする」③「よく寝る」としたのだが、①は元々の性格のひねくれっぷりからなかなか実現が難しく、②は親切にしようにも自粛で人に会えず、結局は③が一番効いた。いまいまの年末に超元気なのも人に助けてもらっているだけでなく、自粛期間あけで忙しい時期がきても③の目標だけは忘れず、この1年間はよく寝たからだったのだった▼というわけで、残りあと1週。大後輩のFくんが「忘年会って言葉としてダメ。だったら想年会で」と上手いことを言っていたのだけれど、もう1回ぐらいはこの1年を想ってみようと思います。みなさま、体調にはお気をつけて。なんかあったらとにかく寝ましょうってことで。では、また来週(唐澤和也)